住まいを長持ちさせるために1

木造住宅における木部の腐朽やシロアリによる被害の総額は、全体でみると火災によるそれを超えるといわれており、住まいの災害として深刻なものであるといえます。
木材を腐らせる菌の種類は多数ありますが、木材を完全に破壊し、建物の強度低下の原因となるものは、木材腐朽菌とよばれるキノコの類です。

 
被害を受けやすいところ
湿度80%以上、温度10℃以上で発育開始、各部分の水分の多少が木材の腐朽にとって最も重要で、次の部分が要注意ですので、重点的に点検しましょう。また、木部の腐朽の点検や補修は専門の業者に依頼しましょう。
@浴室、キッチン、洗面所などの水まわり これら水の使う場所は湿気が多くなる上、配置上北側などじめじめした環境に置かれやすいため、最も危険な箇所となります。特に浴室などの水がかりの木部や給水管等に接する木部に注意しましょう。
A土台 土台は木を使用した構造駆体のうち、最も地盤面に近い部材であるため、腐朽しやすい箇所です。通常、建設時に防腐措置などが講じられていますが、定期的に点検し、5〜10年経過した時点で再び措置を講じることが必要となります。
B雨どい付近、植木が近接する雨がかり 雨どいからあふれた雨水や、破損箇所からの漏水により腐朽の危険があります。また、植木や玄関たたきの付近などは、雨水の跳ね返りが予想されるため注意しましょう。
Cモルタル下地 割れた部分からの雨水侵入により、下地板が腐朽するおそれがあります。
D雨漏り 雨漏りが起こると、天上から床下まで全ての部材が危険になります。屋根以外にも、開口部周辺から起こることがありますので、十分注意しましょう。
Eその他、結露水、設備の漏水の生じる箇所 開口部周辺など結露が起こる部分は水分を含みやすくなります。これ以外にも、外壁の内部など外から見えない部分に結露することもあります。
※木部が腐朽すると、菌によって分解された成分の中に、シロアリを誘引する物質が含まれる場合が多いため、木材が腐朽している部分はシロアリの被害を受ける可能性が極めて高くなっています。

 

住まいに大きな被害を及ぼすシロアリは、主としてヤマトシロアリとイエシロアリの2種類です。前者は北海道の一部を除いて日本全国に、後者は関東地方以南に分布しています。両者とも湿った木材を好み、湿気の多い床下などに害を及ぼしますが、イエシロアリは自ら水分を運ぶことができるため、その被害は小屋裏まで及ぶことがあります。

腐朽菌による被害を受ける部分とほぼ同様です。点検の際は合わせて注意するようにしましょう。

@床下にカンナくずや木片が残ってないか確認しましょう。

A建物周囲に木柱や木の垣根、木片などがあると、ここを巣としてシロアリが繁殖する場合があります。敷地内に木片を残したり、埋め込んだりすることはやめましょう。

4〜7月にかけて羽蟻を見つけたら要注意です。シロアリか普通の蟻か確認しましょう。床下の布基礎内部表面などに、地盤面から泥で固めたような道(蟻道)がある時は、シロアリがいると考えられます。
被害が進行すると木材の内部から空洞化してきますので、木づちなどで叩くと空洞音がします。(金づちは逆に基礎を破損されるおそれがありますので使用しないで下さい。)
近所でシロアリによる被害が発生したり、シロアリやそれによる被害を見つけたら、被害の大小を問わず、専門の防虫駆除業者に依頼しましょう。
 
シロアリは一見にアリに良く似ていますがアリの種類ではありません。アリは蜂と同類ですが、シロアリはアリとは縁が遠く、むしろカマキリやゴキブリに近縁なのです。
 
   シロアリ  アリ
・羽は細長く、4枚とも同じ大きさ
・前羽と後羽を別々に動かせる 
・後羽は前羽よりも小さい
・前羽と後羽とを連結させて1枚の羽として動かせる
・胸部と腹部は同じ太さでつながる ・腹部の基礎は細くくびれている
・体の割りに短い ・体の割りに長い
触覚 ・ジュズ状 ・「く」の字形
※雄の中には「く」の字形でない種類もある